安田早苗

悪夢に咲く

安田早苗は絵画を中心とした活動の後、90年代後半からインスタレーション(空間アー ト)や、当時隆盛したリレーショナル・アート(人やものとの関係性を美術作品としたも の)の作品を制作。絵画や彫刻といった既存のメディアから離れ、作家と鑑賞者との間に 生じる摩擦こそがアートの本質ととらえた。物の移動や伝播をテーマとする作品や、他者 と共有・協働するプロジェクトを長期的に手がける。

2001年から05年までは京都と滋賀を中心に、風船につけたハーブの種を大空に拡散し、 偶然に発見した者が種を育て、作家にその発芽の便りを知らせることで完了する「種をま くプロジェクト」を実施。07~15年には「芽が出るプロジェクト」を、東京・町田市を中 心に行った。

2018年には展覧会形式の活動を再開。種をまくプロジェクトから意図せずコンタクトした 外来種をテーマに絵画作品を発表した。また2020年には、花粉やダニなど媒介者によって 移動するものと拡散、社会的に起こる炎上を暗喩的に掛け合わせ、平面と映像、立体作品 によって、コントロールできない状況を表現する展覧会を開催した。

2020年の緊急事態宣言期間には、毎晩1930~50年代の映画と悪夢を見た。今回の展示で はそれらの映画の主演女優のワンシーンと外来植物を重ねて描き、社会が利用してきた 「自由意志」についてフェミニズム(女性解放)の視点で考える。

また同時期より、自宅を「Bloom(花咲く) studio」と題して、アーティストや美術評論 家等とオンラインミーティングの取り組みを始めた。本展オープニングには、アート・ド キュメンテーションに取り組む美術書編集者である三上豊氏をゲストに迎え、Bloom Studio ZOOM Party vol6を開催する。また、3月27日には、同vol7 東京家政大学非常勤講 師の浦田(東方)沙由里氏をゲストに迎え、エコフェミニズムについてのトークイベント を開催する。

コロナ禍で悪夢を見ながらも、これまでの活動である「種」から「花」へと活動を展開す る。その力強い展覧会を銚子で共有できる事、嬉しく思います。

会期
2021年3月13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、27日(土)、28日(日)
12:00~20:00

オープニングイベント
Bloom Studio ZOOM Party vol6
《種をまくプロジェクト上映会&トーク『ミニマルから新表現主義へ』

日時: 2021年3月13日(土) 14:00~16:00
講師:  三上豊(美術書編集者)
会場: ロクの家&オンライン

トークイベント
Bloom Studio ZOOM Party vol7
《エコフェミニズムってなに?》

女性は賃金が低くて、家事や子育てをするのが当たり前?その常識が、実は環境問題に繋がっている??東京家政大学講師の浦田(東方)沙由理さんにお話を伺います。

<お話し鑑賞会>
絵を見ながら思ったこと、感じたことを語り合います。案内人は青木雅司さんです。

日時: 3月27日(土)14:00-16:00
会場: ロクの家&オンライン

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